坐骨神経痛

はじめに坐骨神経痛について整理しておきましょう。

坐骨神経痛とは、腰から足先にかけて走っている坐骨神経に沿った範囲に、痛みやしびれ、重だるさ、何とも言えない不快感が出る状態をいいます。

人によって、お尻だけ、太ももの外側だけ、ふくらはぎの外側だけ、これらの複合した範囲など、症状の出る範囲は違ってきます。

左右のどちらか一方だけに症状が出ることが多く、両側に出るケースは珍しいので、もしそうであれば、すぐ病院を受診してください。

病院ではレントゲン撮影などで、椎間板が薄くなっているとか、ヘルニア気味だとか、はっきりした原因はわからず、痛み止めや湿布の処方で様子を見るように言われることもあります。

というのも、以前は有力視されていた椎間板ヘルニアによって坐骨神経が圧迫されて、坐骨神経痛の症状が出るという説が、だいぶ怪しく、そうでないケースの方が多いということがわかってきているからです。

腰痛と同じく、ヘルニアや骨、筋肉、神経の問題と捉えて研究を進めた結果として、それと同等以上に、心理的、社会的な要因、脳の機能の問題も大きく関わっていることがわかり、世界各国の診療ガイドラインにもはっきりと記載されています。

現在わかっている最新の情報から考えると、症状の発症する前からの生活習慣や環境の変化、思考の特徴などの細かいカウンセリングや、腰から足だけでなく、呼吸の状態、上半身まで含めた姿勢、体の使い方などの検査も必要だと考えれます。

ですが、毎日多くの患者さんが訪れる整形外科の外来では、一人一人に対してそこまで時間をかけて細かく対応するのは実質的に難しく、内臓の病気や感染症、骨折などがあるかないかを見分けることが一番の目的になって当然だと思います。

では、局所への痛み止めや湿布ではなかなかよくならず、確実に効果があるかわからない手術にも抵抗があるなら、病院以外に相談できるところはないのでしょうか？

そのような方にこそ、しっかり時間をとって多角的な要素を含めて対応しているのが、整体、カイロプラクティックなどの代替療法です。

なかでも、坐骨神経痛を筋肉や関節、神経などの体の問題だけとしてとらえず、生活習慣や生活環境、思考の特徴なども含めて、運動指導や認知行動療法などを取り入れている施設は、どこへ行ってもよくならない坐骨神経痛の改善には最適な選択肢になり得ます。

整体やカイロ、鍼灸などはすでに行ったけどよくならなかったという方も、代替療法は施設や施術者のレベルにばらつきが大きいので、あきらめずに相談してみてください。