当院にいらっしゃる方のほとんどは、既に病院で検査を受けられています。

はっきりした原因がわかって治療がうまくいけばいいのですが、「検査では異常がない」という場合も非常に多くあります。

異常が見つからないと治療は始められませんから、別の検査を受けたり、他の診療科、病院を受診しますが、やはり異常が見つからない。

そうするとだんだん、「何かとても悪い病気なのだろうか？」「入院や手術も必要なのだろうか？」など不安や恐怖も増していき、病院以外にできることはないかと探して当院に辿り着かれるのが一つのパターンです。

もう一つのパターンは、診断がついて治療をしているし、ちゃんと薬も飲んでいるけどなかなかよくならない。むしろ副作用がでたり、悪化している感じもする。

鍼灸や整体、漢方や、健康食品、食事改善や運動など色々試したけど、やっぱりよくならずに、家族や友人、知人の紹介で当院にいらっしゃるという方々です。

医学が発展して、遺伝子や脳機能まで解明されてきて、日々新薬や治療法もでてきているのに、検査で原因不明だったり、治療してもよくならないのは、いったいなぜなのでしょうか？

現在日本で主流である西洋医学は、非常に優れていて、多くの病気や不調、命を救ってきました。

ですが誤解を恐れずに言えば、西洋医学も決して万能ではなく、限界はありますし、人の体や心をどう見て、どうとらえるかという方法論のうちの一つだということです。

世界中の歴史を振り返ると、東洋医学、インドのアーユルヴェーダ、カイロプラクティック、オステオパシーなど、様々な身体や生命の捉え方、思想、方法論が存在し、支持されてきました。

ですから、病院の検査で異常がないといっても、西洋医学の見方の範囲では異常がないということで、別の角度、別の立場からみれば、何らかの原因はみつかるものなのです。

それも、何かすごく特殊な原因というわけでもなく、私たち整体、カイロプラクティックの見方からすると、重心バランスや姿勢、呼吸の深さ、筋肉の緊張具合、動作の癖など、比較的わかりやすい異常が見つかることがほとんどです。

ではそういった異常がそのまま痛みや不調の原因なのかというと、そう単純なものでもありません。人間には多少ストレスがかかって体に不具合がでても、しっかり休んで食事をして眠れば元気になる、「治る力」が備わっているからです。

それでは、病院の検査結果に表れない不調の、別の視点からみた本当の原因とはなんなのでしょうか？

病院の検査結果に表れない不調の原因は、「心身にかかる負担」が「治る力」を継続的に超え続けてしまうこと、または「治る力」自体がうまく働かなくなってしまうことだと当院では捉えています。

つまり「心身にかかる負担」を減らすことと、「治る力」を働かせて、高めること。この2つを進めていって、「治る力」が「心身にかかる負担」を継続的に上回る状態を続けられれば、自然と痛みや不調は消えていくものなのです。

では「心身にかかる負担」「治る力」とは具体的になんなのか、どうすれば減らしたり高めたりできるのでしょうか？

「心身にかかる負担」とは、よく言われるストレスです。どうしても精神的ストレスのイメージを持たれることが多いですが、心身に負担をかける現象はすべてストレスです。

つまり、長時間の労働や座りっぱなし、目の酷使、疲労した状態での作業、食べ過ぎ、飲みすぎなど、身体への物理的な負担もストレスですし、気温差や気圧差、暑さ、寒さ、騒音、異臭、大気汚染などの環境からの負担もストレス、そして人間関係や経済的な問題、将来への不安や過去への後悔などの精神的な負担も、すべて同じように身体に作用するのです。

こうしてみると、現代はストレス社会と言われますが、様々なストレス要因が溢れているなと気付かされます。そして、そんなのみんな同じだろうと思われるかもしれませんが、同じようなストレス要因、環境にあっても、個人個人で、どれくらいストレスを受けているかは、実は随分と違うものなのです。

自覚しているストレス要因があり、それを避けることが可能であるなら、それに越したことはありませんが、環境を変えられなくても、自分自身のストレス要因に対する捉え方、向き合い方は技術的に変えることが可能です。

そして後述する「治る力」を高めることで、同じようなストレスを受けても、過剰に反応しない、いわゆるストレス耐性を上げていくことも可能なのです。

次に「治る力」ですが、何も不思議なエネルギーみたいなものではなく、「自律神経、ホルモン、免疫」が連携して働くシステムのことです。

自律神経は、その場が安全か危険かに応じて心身の緊張とリラックスをうまく切り替え、それに連動して各種ホルモンも作られて、体内に分泌されます。心身にストレスがかかったときには体内で炎症が起きるので、それを抑えるのにはコルチゾールというホルモンが使われます。

ホルモンには女性ホルモン、男性ホルモンや、気持ちよく眠るためのメラトニン、心を落ち着かせるセロトニン、オキシトシン、活動的になるアドレナリンなど様々なものがあり、ストレスの多い環境にあっても、心身がうまく働いていけるように作用しています。

そして細菌やウイルスなどの外敵と戦って排除したり、味方か敵かを見分けるのが免疫システムで、こちらも自律神経と連動するので、緊張が続いてリラックスすることがなくなってくると、免疫システムも異常を起こして、味方である自分自身の組織を攻撃してしまったり、外敵との戦いに苦戦したりという不具合がでてきます。

病院でも、原因はストレスです。自律神経が乱れています。と言われた方も多いのではないでしょうか。でもこれといった治療法がなく、治療を受けてもなかなか改善しない。

そこでお役に立てるのが、当院の「施術×生活習慣×思考習慣」の3点からの改善アプローチなのです。

心身の負担が大きすぎたり、治る力が低下しているときは、身体の機能の異常として、骨格、筋肉バランスの崩れや、神経伝達の悪さ、血流の悪さなどがみられます。

これは当院での初回の検査で、姿勢や関節可動域、動き方のテストなどで把握し、施術により改善することができます。

ですが、施術を受けるだけですと、その場は改善したように見えても、時間がたつと元に戻ってしまうことがあります。

それは、身体の機能低下のもう一つ奥にある原因として生活習慣が大きく関わっている場合です。

栄養、睡眠、運動不足や過剰、姿勢不良、浅い呼吸、薬の影響などがありますが、もちろんこれら全てを完璧に理想的な状態を目指す必要はありません。

理想を求めすぎるとそれ自体がストレスになったり、できていないことに罪悪感を持ったりしてうまくいかないので、今のあなたであれば、何をどれくらい気をつけるとちょうどいいかを、私たちの持っている経験からアドバイスさせていただきます。

不調に苦しんでいる最中に、生活習慣を変えるといわれると非常に難しく感じますので、まずは施術により身体を楽にさせていただき、心身に余裕が出たところを、無理のない範囲で生活習慣の改善にエネルギーを向けて頂くと、身体の変化を楽しんでいけます。

そしてここまでやってもまだ残る不調がある場合は、思考習慣＝考え方のクセが改善にブレーキをかけていることがありますので、認知行動療法などの考え方を元に、改善のワークなどに取り組むことがあります。

思考習慣の改善は、専門の心理カウンセラーでも難しいことですが、施術により身体を楽にする→日々の生活習慣を改善する、という過程に、実は思考習慣改善につながる要素が多分に含まれていますので、まずは身体から、というのが施術家である私たちの強みだと思っています。

今まで自分の悩みをわかってもらえなかった、もう改善は無理なのではないかと半分あきらめていた、という方も、ぜひあきらめずにご相談ください。